ニュースを見ていると、国会はいつも揉めている。
与党は押し切ろうとし、野党は怒っている。
正直、「結局なにが違うの?」と思ったことがある人も多いはずです。
教科書的には「与党=政権を担う側」「野党=それ以外」。
……はい、今日はその説明はここで終わりです。
それよりもう少し“現実寄り”で、少し斜めから見てみましょう。
そもそも与党・野党って誰が決めてる?選挙後の“席替え”の現実
与党と野党は、実は選挙が終わった瞬間に決まる席順のようなものです。
衆議院で過半数を取れた政党(または連立)が与党。取れなければ野党。
つまり昨日まで「国を動かします」と言っていた人が、
翌日には「チェック役です」に変わることもある。
この“急な役割変更”、かなり大変です。
与党だった頃は官僚から資料が山ほど来ていたのに、
野党になると「資料?自分で取りに行ってください」状態。
議員秘書の間では
「政権交代直後が一番つらい」
という、なかなか夢のない話もあります。
与党は「決める人」、野党は「止める人」…って本当にそれだけ?
よく言われます。
「与党は決める側、野党は反対する側」。
半分正解で、半分は誤解です。
実際の国会では、野党の修正が入って成立する法案は珍しくありません。
国会図書館のデータを見ると、毎国会で提出される政府法案のうち、
3〜4割は何らかの修正を受けています。
つまり野党は、
「止める」だけでなく
「形を変える」役割も担っている。
ただし修正は地味。
テレビ的には全然おいしくありません。
なので報道されない。
結果、「野党=反対ばかり」という印象だけが残るわけです。
国会中継が荒れる理由:与党は時間がない、野党は時間を使いたい
国会での最大の武器は、意外にも言葉ではなく時間です。
与党は「期限内に法案を通したい」。
野党は「問題点をできるだけ多く表に出したい」。
だから野党は質問を重ね、
与党は「簡潔にお願いします」と言う。
ちなみに、
衆議院での質問時間は会派ごとに配分され、
与党は実は野党より質問時間が短いことも多い。
決める側なのに、しゃべる時間は少ない。
これはこれでストレスです。
野党が“反対ばかり”に見えるのはなぜ?データで見る質問回数と採決率
少し数字を見てみましょう。
ある国会では、
野党の質問回数は与党の約3倍。
一方で、最終的な採決では
9割以上の法案が可決されています。
つまり
・質問は野党が多く
・決定はほぼ可決
このギャップが、
「文句は言うけど結局通る」
という印象を生みます。
ただし、これは野党が無力という意味ではありません。
質問で世論を動かし、
結果的に修正や見直しが入るケースも多い。
“反対”はゴールではなく、
世論を動かすための途中経過なのです。
与党議員は地味、野党議員は目立つ?メディア露出の意外な差
テレビによく出るのは、
だいたい野党議員です。
理由は簡単。
野党の方が強い言葉を使えるから。
与党は、
「検討します」「慎重に対応します」
という言葉が増えがち。
責任がある立場では、どうしても無難になる。
一方、野党は
「許されない」「到底納得できない」
と言える。
テレビ向きなのは、圧倒的に後者。
結果、
「野党=声が大きい」
「与党=何してるかわからない」
という構図が生まれます。
実は仲がいい?国会の裏側で起きている“与野党の雑談タイム”
ここで少し脱線。
国会の廊下や食堂では、
与党と野党が普通に雑談しています。
昨日まで怒鳴り合っていた人同士が、
「最近寒いですね」
「地元どうですか」
と話している。
これはよくある光景です。
政治的には対立していても、
人としては同僚。
この距離感を知らないと、
国会中継だけ見て
「全員犬猿の仲」
と思ってしまいます。
結論:与党と野党の違いは「立場」より「期待されている役割」だった
与党と野党の違いは、
思想や人格以上に役割の違いです。
与党は
・決める
・責任を取る
・失敗できない
野党は
・疑う
・問い続ける
・世論を動かす
どちらが欠けても、政治は機能しません。
ニュースでは対立だけが強調されますが、
その裏には意外と合理的な分業があります。
シリーズ第1回として覚えておきたいのは、
「与党と野党は敵ではなく、
違う仕事をしているだけ」
という視点です。


