人気テクノポップユニット「Perfume」が2025年いっぱいで活動休止を発表しました。
1999年に広島で結成された3人は、メジャーデビューから「ポリリズム」で一躍脚光を浴び、その後も「レーザービーム」や「FLASH」など数々の代表曲を世に送り出してきました。
さらに、NHK紅白歌合戦に16年連続出場という快挙を達成し、国内外で確固たる地位を築いています。
世界の音楽フェスにも出演し、日本発のテクノポップをグローバルに広めた姿は、多くのファンの記憶に残るでしょう。
今回の活動休止発表(コールドスリープ)には寂しさもありますが、背景には次のステージに向けた新たな挑戦があるのかもしれません。
本記事ではPerfume結成のきっかけからヒット曲の軌跡、そして今後の期待までを深掘りします。
Perfume結成のきっかけと広島時代
Perfumeが誕生したのは1999年、広島県のアクターズスクール広島での出会いがきっかけでした。当時は、あ~ちゃん、かしゆか、のっちの3人に加え、別のメンバーも在籍しており、まさに学園青春ドラマのような環境。
彼女たちは「未来的な音楽とダンス」を武器に、地元のイベント出演などを通じて少しずつファンを増やしていきました。
まだ全国区ではなかった時代のPerfumeは、手作りのようなステージ衣装や地方限定のCD販売など、いまとは想像できないほど身近な存在だったのです。
実は結成当初のグループ名候補には“パフュームス”のような案もあったとか。
シンプルな「Perfume」で落ち着いたのは大正解でしたね。
メジャーデビューから「ポリリズム」大ヒットまで
2005年、Perfumeはシングル「リニアモーターガール」でメジャーデビュー。
当時はオリコンチャートにすぐ上がるわけではありませんでしたが、独特のサウンドとダンスはじわじわと注目を集めます。
そして転機となったのが2007年の「ポリリズム」。
NHKの環境キャンペーンに起用され、一気にお茶の間に名前が広がりました。
リズムがズレているのに心地よいという不思議な曲構成は、音楽ファンからも高い評価を受けています。
ちなみに、当初はレコード会社から「こんな難しい曲は売れない」と言われていたそうですが、結果はご存じの通り大ヒット。
未来を見据えた挑戦が、彼女たちを一躍スターダムへと押し上げたのです。
「レーザービーム」「FLASH」など代表曲の数々
Perfumeの魅力は、一度聴いたら忘れられない中毒性のある楽曲群にあります。
「レーザービーム」は2011年に発表され、テクノサウンドとダンスが融合した代表作。
続く「FLASH」は映画『ちはやふる』の主題歌として幅広い世代に親しまれました。
ユニットの楽曲は中田ヤスタカ氏のプロデュースによるもので、近未来的なサウンドと緻密な構成はPerfumeの代名詞ともいえます。
ファンの間では、ライブでの演出や衣装の一体感も注目ポイント。
とくに3D映像やプロジェクションマッピングを取り入れたライブは「未来のライブ体験」と呼ばれ、国内外の音楽ファンから高い評価を得ました。
紅白16年連続出場という快挙
Perfumeが築いたもう一つの記録が、NHK紅白歌合戦への16年連続出場です。
2008年に初出場して以来、毎年ステージに立ち続け、年末の風物詩の一部になりました。
紅白では、国内初のドローン演出やCG合成を駆使したパフォーマンスを披露し、ただ歌うだけでなく「見せるショー」として注目されました。
特に2012年の「Spring of Life」では、NHKホール全体を使った巨大なプロジェクションが話題に。
視聴者の間では「Perfumeのために紅白を観る」という人も少なくありませんでした。
日本の音楽番組に新しい風を吹き込んだ点で、彼女たちは単なるアイドルではなくアーティストとしての立ち位置を確立したのです。
世界の音楽フェスに出演した舞台裏
Perfumeの魅力は国内にとどまらず、海外にも広がっていきました。
2010年代にはアメリカ・ヨーロッパ・アジア各国でライブツアーを開催し、世界的な音楽フェスティバルにも出演。
とくにアメリカの「コーチェラ・フェスティバル」では、最新テクノロジーを駆使したステージが現地メディアからも絶賛されました。
「日本から来た未来型ユニット」と紹介されることも多く、日本のポップカルチャーを世界に届ける存在となったのです。
海外公演では、観客が日本語の歌詞を一緒に歌うシーンもあり、国境を越える音楽の力を感じさせました。
余談ですが、海外でのMCではあ~ちゃんが英語を担当することが多く、観客からは「チャーミング」と評判になっていたのも面白いエピソードです。
2025年の活動休止発表、その背景とは
そして2025年9月、Perfumeは公式サイトで「今年いっぱいでの活動休止」を発表しました。
ファンにとっては衝撃のニュースでしたが、長年走り続けてきた3人にとって、新たな時間を持つのは自然な流れともいえます。
発表では「未来に向けて一度立ち止まる」とコメントされており、解散ではなく休止という言葉を選んだ点に希望が残ります。
芸能界では休止から復活を遂げるグループも多く、Perfumeも再びステージに戻ってくる可能性は十分にあるでしょう。
むしろ、未来的な演出を得意とする彼女たちが、数年後に“さらに進化した姿”で登場するのではと期待してしまいます。
コールドスリープという表現に込められた意味
Perfumeが活動休止を「コールドスリープ」と表現したのは、とても象徴的です。
本来コールドスリープとはSF映画などで使われる“冷凍睡眠”のこと。
つまり「終わり」ではなく「未来に向けて眠る」というニュアンスがあるのです。
解散ではなく休止を選び、この言葉を使ったのは、再び目覚める=再始動の可能性を示唆しているといえます。
ファンにとっては少し安心できるユーモアある表現であり、「未来保存」というPerfumeらしいポジティブなメッセージとも受け取れるのです。
今後のPerfumeに期待されること
Perfumeの歩みは、テクノポップの枠を超えて日本の音楽シーンを変革してきました。
活動休止後も、メンバー個々の活動やプロジェクトに注目が集まるはずです。
あ~ちゃんの親しみやすいトーク力、かしゆかの独自のファッションセンス、のっちのクールな存在感。
それぞれがソロでも魅力を発揮できる要素を持っています。
そして何より、Perfumeというブランドが持つ影響力は簡単には消えません。
再始動の際には、また新しいテクノロジーと音楽を融合させた舞台で世界を驚かせてくれるでしょう。
Perfumeといえば未来的なサウンドやヒット曲が真っ先に思い浮かびますが、執者が密かに驚いたのは「ダンスを覚える速さ」。
ある番組で振付を即興で真似する場面があったのですが、3人とも驚異的な記憶力でスッと統一感ある動きを披露していました。
まるで脳にUSBポートでも付いているのか、それとも体そのものがハードディスクなのか…と思うほど。
音楽だけでなく、踊りを瞬時に自分のものにする才能こそ、Perfumeが唯一無二であり続ける理由かもしれませんね。