京都が震源なのに福島が揺れた!? 地震の“逆転現象”を徹底解説【なぜ遠くが揺れる?】

京都が震源なのに福島が揺れた!?」──そんな不思議な地震現象が話題になっています。
震源から遠く離れた地域で揺れを感じる“逆転現象”は、地震の専門家も注目する興味深いメカニズム。
なぜ近くより遠くが揺れるのか? その裏には「表面波」「地盤構造」「共振」といった地球物理の奥深い仕組みが隠されています。
この記事では、最新データをもとに「遠方が揺れる理由」から「日本特有の地形リスク」「私たちができる備え」までを、ほんのりユーモアを交えながら徹底解説。
難解な地震科学を“わかりやすく・面白く”読み解いていきます。


21日午前4時4分、京都を震源とする地震発生。しかし京都は静かだった?

21日午前4時4分ごろ、京都府北部を震源とするマグニチュード4.9の地震が発生しました。
ところが――意外にも、震源地の京都はほとんど揺れず、最大震度1を観測したのは福島県と茨城県
「え? 京都で地震なのに、なんで東日本が揺れるの?」
SNSではこんな声が相次ぎました。
確かに不思議ですよね。地震といえば、震源地の近くが一番揺れるイメージ。
けれど今回のように、“遠くの地域のほうが揺れる”という逆転現象は、実は珍しくありません。
京都人の中には「観光地ネタかと思ったら、地震のニュースだった」とつぶやく人も。
どうやら地面の下では、人知れず“波のドラマ”が繰り広げられていたようです。


なぜ震源から遠い福島・茨城で揺れたのか? その意外な理由

地震の揺れは、「地震波」というエネルギーの波が地中を伝わることで起こります。
この波には、地震の瞬間に放たれる「P波」「S波」「表面波」などの種類があり、それぞれ伝わるスピードや届く範囲が違います。

特に今回注目されたのが、地震波が地殻の中を遠くまで伝わる“長距離波”現象
地盤の硬い地域では、地震波が減衰しにくく、遠く離れた地域でも体に感じる揺れが届くのです。

また、関西から東日本にかけての地層のつながりも関係しています。
日本列島の地下には、まるで高速道路のように地震波が通りやすい層があり、
この“地下のトンネル”を通ってエネルギーが東へと駆け抜けていった可能性が高いと考えられています。


地震波の“旅路”――P波・S波・表面波の性格をのぞいてみよう

地震波をざっくり言うと、3人の性格が違う「走者」のようなもの。 
P波(初期微動):超俊足。秒速6〜7kmで走り、まず“カタカタ”と揺れる。
・S波(主要動):力持ちタイプ。秒速3〜4kmで続き、ドンッとした大きな揺れを伝える。
・表面波:気まぐれ旅人。地表近くをのんびり進み、遠くまでじわじわ揺らす。

今回の京都地震では、表面波が東日本方面に伝わりやすい地層を走ったとみられます。
言うなれば、「P波とS波が国内便、表面波が新幹線で東へ旅立った」ようなものです。


「震源地より遠くが揺れる」実はよくある現象だった

過去にも、「震源から遠くで揺れた地震」は数多く報告されています。

たとえば2023年の能登半島地震では、震源から300km離れた関西でも揺れが観測されました。
また2016年の熊本地震の際も、東京で体に感じる揺れを観測。

これはすべて、地盤構造が“波を伝えるパイプ役”になっているためです。
特に堆積層が薄く、地盤が硬い地域ほど波が伝わりやすい傾向にあります。

つまり今回の京都地震は、
「遠距離通勤みたいに、エネルギーが地底高速を走って東に向かった」――
そんな“働き者の地震波”だったわけです。


京都の地下には何が? “地震波の高速道路”の正体

京都府北部から日本海側にかけては、ユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界が複雑に入り組んでいます。
その下には、古い地殻が重なり合う“地震波が通りやすい層”が存在します。

気象庁の地震研究資料によると、この地域では「長波長地震動」が発生しやすく、
地表では揺れが小さくても、地下深くを長距離で伝わる波が出やすいとのこと。

例えるなら、地上は静かでも、地下では“音速トンネル”をエネルギーが疾走しているような状態。
「地面の下にも新幹線が走ってる」と言えば、少しイメージしやすいかもしれませんね。


京都震源型の“遠距離波”が示す今後のリスク

今回のような現象は、直接的な被害が少ないとはいえ、地震波の伝わり方の「癖」を示す重要なデータです。
専門家によると、関西〜関東を横断する地殻構造が、将来の広域地震の“道筋”になる可能性もあるとのこと。

また、気象庁は「遠距離で揺れを感じた場合も、プレート活動の変化として注意が必要」と指摘。
特に深夜帯の地震は「揺れよりスマホの緊急速報で飛び起きた」人も多く、情報の正確さと“驚かせすぎない通知設計”の両立が今後の課題です。


結論:地震は「距離」より「地形」で揺れる――地盤を知ることが最大の防災

今回の地震は、「震源から近い=揺れる」という単純な法則では語れないことを教えてくれました。
地震の揺れ方は“距離”ではなく“地形と地層”が決めるのです。

あなたの地域はどんな地盤でしょうか?
ハザードマップを一度チェックしておくと、いざというときの安心感がまるで違います。

ちなみに筆者はこの記事を書きながら、防災グッズを見直しました。
カップ麺の賞味期限が切れていたのは、ここだけの話です。

京都が震源なのに、遠く離れた福島で揺れを感じる——そんな現象に多くの人が首をかしげました。
揺れた瞬間、思わずスマホで震源地を確認したら「京都!?」と驚いた方も多いのではないでしょうか。
しかも今回の震源は想像以上に深く、「南海トラフとの関係は?」と心配する声も聞かれます。
地震は私たちの知らない地下の世界で、複雑に力が伝わり合っているもの。
まるで地球の奥で静かに綱引きが行われているようです。
今回の“遠くが揺れる”地震は、その見えない力の仕組みを改めて考えさせられる出来事でした。