【サンマが取れすぎて困る?】価格急落と休漁の謎

2025年の秋、日本の食卓に久々の“秋の主役”サンマが帰ってきました。
なんと水揚げ量は昨年の倍!しかも大ぶりサイズで価格は3割安と、家計にもうれしいニュースです。
ところが「豊漁すぎて休漁」という、ちょっと不思議な展開に。
これは2012年以来の出来事だそうで、まるで「ケーキ食べ放題なのに胃袋が悲鳴を上げてお休み」という状況に似ています。
なぜこんな現象が起きたのか?背景には海水温やエサの変化、さらには国際的な漁獲ルールまで絡んでいるとか。
今回は「サンマ豊漁と休漁の謎」をひも解きながら、雑談でちょっと自慢できるサンマトリビアも交えてご紹介します。

2025年サンマ漁、水揚げ量が前年の2倍に

2024年のサンマ水揚量は 約3万8,695トン と報じられています。
ところが2025年、全国レベルでは「8月の水揚げだけで約5,000トン」に到達し、前年同時期の水揚げ量の 約2倍 と伝えられています。
さらには、北海道・根室・花咲港では9月25日に1日950トンという記録もあり、一日単独で「去年1か月分?」という勢い。つまり、「前年の年間水揚量が3万トン台」だったところへ、短期間で同じぐらい取れちゃいそうな勢い――豊漁というより“爆漁予備軍”みたいな状況です。魚も「今年は出まくろうぜ!」と張り切ってる感じですね。


大ぶりサンマが3割安、庶民の食卓に追い風

しかも今年はサイズも立派。例年より大きめのサンマが、なんと価格3割安。
これは主婦(もちろん独身の方の食卓にも!)にはありがたいニュースです。
秋の定番「サンマの塩焼き」だけでなく、刺身や煮つけ、炊き込みご飯まで楽しめるチャンス。
ちなみに雑談ネタとしては「サンマは塩をふって10分置くだけで旨みが倍増する」…これを知っていると会話が弾みますよ。


それでも「休漁発令」された理由とは?

豊漁なのに休漁、という逆説にはワケがあります。
例えば2025年9月、全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)は “24時間~48時間の休漁” を発令しました。
その背景には、魚は獲れすぎても受け止め側がパンクするという現実があります。
港の氷や発泡スチロール箱、運搬トラックが足りず、魚たちが溶けそうな状態になる港もあったそうです。
さらに、あまりに急速な水揚げ増で需給バランスが崩れ、魚の卸値急落のリスクも。
資源を守る観点からも、取れるときに少し“休ませる”判断が必要というわけです。
まさに「獲りすぎて休憩」ならぬ、「獲りすぎて自制」ですね。


2012年以来の珍事、過去との比較から見えるもの

2012年、サンマの全国水揚量は約 21万8,371トン(報告値)と比較的豊漁だった年。
そこから10年あまり、漁獲量は激しく振れ動き、2015年は約11万6,243トン、2019年にはわずか4万0,517トンまで落ち込みました。
2024年にはようやく3万8,695トンに回復。
つまり、2012年にあった「取れすぎて困る」局面が、10年以上なかったわけですが、2025年はあの年ぶりに“豊漁過ぎて休漁”を招くほどの勢いを取り戻しつつあるというわけです。
魚も遠慮なしで復活した、という感じですね。


海水温やエサの変化、環境要因の影響

サンマは気まぐれな旅人のように、海水温やエサの具合に左右されます。
ここ数年の不漁は、海水温が例年より2〜3度高く、プランクトンの分布もずれてしまったのが原因とされます。
サンマは冷たい海と豊富なエサを好むため、「あれ、居心地悪いな」とばかりに北や沖へ行ってしまうのです。
今年は比較的条件が整い、漁獲量は回復しましたが、自然相手の“ご機嫌”はまだ安定しません。
人間から見れば「せっかく倍に戻ったのに…」ですが、サンマにとっては「居心地第一」。
結局は海の環境変化が漁師さんの台所事情まで左右するのだから、魚の気分次第というのもなかなかシビアですね。


豊漁なのに休む?水産資源管理の仕組み

休漁の背景には国際的な資源管理もあります。サンマは日本だけでなく台湾や中国などでも人気の魚。
乱獲を防ぐために「取れすぎたらストップ」というルールが導入されているのです。
これは将来の魚を守るための“貯金”のようなもの。
魚にも年金制度が必要、というわけですね。


サンマ雑談トリビア:実は旬は秋だけじゃない?

サンマといえば「秋の味覚」の代表ですが、実は旬は秋だけにあらず。
北海道では7月頃から水揚げが始まり、初物は1匹あたり脂肪率3〜5%とあっさり系。
9〜10月にかけては脂肪率が20%前後に跳ね上がり、“トロサンマ”状態に。
さらに11月以降、南下するにつれて脂が抜けてヘルシー仕様に早変わり。
つまりサンマは「夏はライト、秋はプレミアム、冬はダイエット向き」と、季節ごとにキャラ変する万能魚。
食卓に上るたび「今日はどのバージョン?」とクイズ気分で楽しめますね。


かつてサンマといえば「安くてうまい庶民の味方」でしたが、ここ数年は細身でお値段は立派…まるで高級魚の仲間入り状態でした。
それが今年は豊漁ニュースが飛び込み、「久々に安くて脂ののったサンマが食べられるかも!」と期待が高まります。
スーパーの魚売り場に並ぶ瞬間、思わず「ようやく帰ってきたな」と声をかけたくなるかもしれませんね。