【NHK党の立花孝志氏】名誉毀損で逮捕。竹内英明元県議をめぐる“デマ拡散”の波紋

NHK党の党首・立花孝志氏が、竹内英明元県議に関するデマをSNSで拡散し、名誉を傷つけたとして名誉毀損容疑で逮捕されました。
弁護士は「真実相当性」を主張し、無罪を訴えていますが、SNS社会では“言葉の責任”がかつてないほど問われています。
本記事では、立花氏の異色の経歴竹内元県議をめぐる内部告発文書問題、そして「真実相当性」とは何かをわかりやすく解説。
さらに、SNS拡散の法的リスクNHK党の実態ドバイ逃亡説の真偽、そして今後の裁判の行方まで──炎上政治の裏側を少しユーモラスに、データを交えて掘り下げます。

立花孝志とは何者か?テレビ出身“炎上政治家”の軌跡

「NHKをぶっ壊す!」の決めゼリフで一躍時の人となった立花孝志氏。
もともとはNHK職員として勤務していたが、2005年に退職後は“内部告発系YouTuber”として活動を開始した。
政治の世界に足を踏み入れたのは2013年。「NHKから国民を守る党」(以下、NHK党)を立ち上げ、ネット世代から一定の支持を集めた。

ただし支持の理由は「政策が素晴らしいから」ではなく、どちらかというと“話題性”。
YouTubeでの歯に衣着せぬ発言、対立構図を作る巧みさ、そして炎上しても全く動じないメンタル──。
SNS時代の政治家としては異例の「セルフメディア型政治家」の代表格だ。

一方で、今回の事件はその発信力が裏目に出た格好とも言える。


竹内英明・元県議の“内部告発文書問題”とは?

兵庫県の内部文書をめぐる問題で、自ら命を絶った竹内英明・元県議(当時50)。
当時の報道では、竹内氏が“県庁内の不正”を指摘していたとされるが、SNS上では憶測が独り歩きし、根拠の薄い情報が拡散された。

この中で、立花氏が竹内氏に関して事実と異なる発言を動画で行ったとされ、それが名誉毀損に当たるというのが今回の逮捕理由だ。

SNSでは事件当時、「立花氏の発言を信じていた」「あれがデマだったのか」といった驚きの声が相次ぐ一方、「言論の自由が狭まるのでは?」と懸念する声もあった。

興味深いのは、総務省が2023年に発表した調査によると、日本人の約65%が“ネットで見た情報を半信半疑で信じてしまう”というデータがあること。
“信じる”ではなく、“半信半疑で信じる”というこの絶妙な姿勢が、SNS時代の危うさを象徴している。


名誉毀損で逮捕──「真実相当性」とは何か?

立花氏の弁護士が主張しているのが「真実相当性」。
これは、発言した内容が結果的に誤りであっても、“当時、真実だと信じるだけの合理的理由があった”場合は罪に問われない、という法律上の考え方だ。

たとえば記者が裏取りを重ねた上で報じた記事が結果的に間違っていた場合、
「真実相当性」が認められれば名誉毀損にはならない。

ただし、この“合理的理由”の線引きは非常に曖昧だ。
実際、SNS投稿者が「ネットで見た」「他の人も言っていた」というだけでは到底認められない。

ここで皮肉な話をすると──
ネット時代の“取材”とは、検索バーに「◯◯ 真相」と打ち込むこと、ではない。
にもかかわらず、多くの人がそれを「事実確認」と錯覚しているのだ。


SNSでの拡散、どこまでがアウト?

「自分はリポストしただけだから関係ない」と思う人も多いだろう。
しかし、名誉毀損に関しては“拡散した人”も法的責任を問われる可能性がある。

2023年の東京地裁では、デマツイートを拡散した一般ユーザーに対し、損害賠償を命じた判決も出ている。
SNSの「いいね」「拡散」が、場合によっては“共犯的行為”とみなされるのだ。

SNS利用者の平均投稿文字数は約47文字(Twitter調べ)。
つまり私たちは、たった47文字で他人の人生を揺るがす可能性がある──ということになる。
少し重たい話だが、これが“言葉の軽さ”が“法の重さ”にぶつかる瞬間である。


NHK党とは?政治理念より“話題性”が先行する組織の実態

NHK党は、NHK受信料制度への批判を旗印に誕生した。
ただ近年は、政治よりも“YouTube発信”や“暴露的スタイル”の印象が強い。

2022年にはガーシー(東谷義和)氏を参議院議員として擁立し、海外からのリモート議員という前代未聞のスタイルが話題になった。
ある意味で、“政治とエンタメの融合”を体現した政党とも言える。

皮肉を込めて言えば、
「再生数は得票数に比例しない」
という現実が、今のNHK党を象徴しているのかもしれない。


ドバイ逃亡説は本当か?ネットが作る“物語”の怖さ

逮捕直前、立花孝志氏は実際にUAE・ドバイへ渡航していました。
その事実をもとに、SNSでは「逃亡中」とする噂が拡散。
しかし、情報は一部誇張され、あたかも隠れているかのような物語が形成されました。

人は過去の事例や印象的な情報をもとに真実と錯覚しやすく、心理学でいう「アベイラビリティ・ヒューリスティック」が作用します。

SNSのアルゴリズムも拡散を助長するため、誤情報は瞬時に広まりやすく、訂正は目立ちにくい。
今回のドバイ渡航報道も、ネット上の“物語化”の典型例と言えるでしょう。


今後の裁判とNHK党の行方──「炎上マーケティング政治」の限界

立花氏は容疑を否認し、「真実相当性」を主張している。
裁判では「発言の裏付けがどこまであったか」が焦点となる見込みだ。

一方、NHK党そのものは、2024年以降支持率が低迷。
NHKの世論調査によると、政党支持率は0.2%前後で推移しており、国政政党としての存続も厳しい状況だ。

かつてのような“炎上=注目=票”の方程式は、すでに崩れつつある。
人々は「刺激」よりも「信頼」を求め始めているのだ。

とはいえ、SNSを中心に再び話題の渦中にいる立花氏。
今回の事件が、“言論の自由”と“デマの責任”の境界をどう描き直すか。
それは、政治家だけでなく、スマホを手にするすべての私たちに突きつけられた問いだ。


立花孝志氏は、非常に個性的で頭の切れる方だと感じていました。
YouTubeでの発信も鋭く、エンタメ的には面白い存在です。
しかし、過激な発言や挑発的な言動が増えるにつれ、「政治の世界では危ういのでは」と思う場面もありました。
特に最近は、法律の“すき間”を突くような演説も目立ち、「やりすぎでは?」という印象も。
そんな中での逮捕報道──やはり発信力が強いだけに、その言葉の重みが改めて問われる結果となりました。