【50代のシミは“過去の記憶”?】 いま急に濃くなる理由と今からできる対策

50代になってから、シミが急に増えた、以前より濃くなったと感じることはありませんか。最近それほど日焼けした覚えがないのに、なぜ今になって目立つのでしょう。実は50代のシミには、若い頃から蓄積してきた紫外線の影響が関係しています。

50代のシミが急に目立つのはなぜ?

50代のシミは、50代になって突然できたとは限りません。代表的な「日光黒子(老人性色素斑)」は、顔や手の甲など日光が当たりやすい場所にできやすく、長年の紫外線による影響が大きいとされています。

ここで知っておきたいのが、紫外線の影響は、その日にすぐシミとして現れるとは限らないということです。

紫外線による肌へのダメージは少しずつ積み重なり、長い年月をかけて肌の変化として現れます。日本皮膚科学会も、紫外線による「光老化」は通常の加齢による老化とは異なり、長期間の紫外線による慢性的な傷害だと説明しています。

つまり、50代になって目立ってきたシミを「最近の日焼けのせい」と考えるだけでは十分ではありません。むしろ、これまで何十年も浴びてきた紫外線の積み重ねが、今になって見える形になったと考えるほうが分かりやすいでしょう。

シミは「今の肌」だけでなく「過去の積み重ね」

日本人女性169人を対象にした研究では、顔の色素斑は18歳ごろから確認され、20代で増加した後も年齢とともに変化していました。

また、20代から70代の日本人女性454人を調べた別の研究では、顔の色素斑は年齢とともに増え、特に色の濃さは30代から50代にかけて有意に強くなっていました。

この研究結果からも、50代のシミを「50代になったから突然発生した」と考えるのは少し違います。

若い頃はそれほど気にならなかった色素斑が、年齢とともに濃くなったり大きくなったりすることで、鏡を見たときに「急に増えた」と感じることがあります。

だからこそ、50代のシミはある意味で、これまでの紫外線の積み重ねが肌に残した記録ともいえます。

50代からシミ対策を始めても意味はある?

「若い頃に日焼けしてしまったから、もう遅いのでは?」と考える必要はありません。

過去に受けた紫外線の影響をなかったことにはできませんが、これから受ける紫外線を減らすことはできます。

米国皮膚科学会も、40代・50代のスキンケアでは紫外線対策を基本とし、日焼け止めだけでなく、日陰や帽子、衣服などを組み合わせることを勧めています。

さらに、日焼け止めの継続的な使用は、シミなどの早期の肌老化を抑えることにもつながります。

つまり50代からのシミ対策は、「今あるシミを一気に消す」という考え方だけではありません。

これ以上、紫外線によるダメージを積み重ねないことも立派なシミ対策です。

50代のシミ対策は「毎日の小さな習慣」でいい

ここからは、特別なことをしなくても始められる対策を考えてみましょう。

シミ対策というと、高価な化粧品や特別なケアを想像しがちですが、まず見直したいのは日常生活です。紫外線を完全に避ける必要はありませんが、浴びる量を少しずつ減らすことなら、今日からでも始められます。

① 日焼け止めを「外出するときの習慣」にする

最も基本的なのが日焼け止めです。

米国皮膚科学会は、SPF30以上、広域スペクトル、耐水性のある日焼け止めを推奨しています。外出時には衣服で覆われていない部分に使用し、汗をかいた場合などは塗り直すことも勧めています。

ただ、毎回完璧に塗らなければ意味がないと考えると、長続きしません。

例えば、通勤や買い物、洗濯物を干すときなど、外に出るときは日焼け止めを使うという習慣から始めるだけでもいいでしょう。

② 帽子や日陰を「無料の日焼け止め」と考える

紫外線対策は、日焼け止めだけではありません。

帽子をかぶる、日陰を歩く、日差しの強い時間帯には長時間外にいないなど、肌に届く紫外線そのものを減らす方法もあります。米国皮膚科学会も、日陰を利用したり、帽子や長袖の衣服を使ったりする方法を推奨しています。

これはシミ対策として考えると、かなり手軽です。

「日焼け止めを塗る」という一つの方法だけに頼るのではなく、そもそも強い日差しを浴びる時間を減らすという発想を持つと、対策のハードルが下がります。

③ 顔を「こすらない」ことも意識する

もう一つ意識したいのが、肌への刺激です。

洗顔やタオル、マッサージなどで顔を強くこすると、肌への刺激になります。シミの種類によっては摩擦などの刺激が色素沈着に関係する場合もあるため、必要以上にこすらないことが大切です。

特に50代になると、「シミを何とかしたい」という気持ちから、洗顔やマッサージを頑張りすぎてしまうことがあります。

しかし、シミ対策は「何かを追加する」だけでなく、「余計な刺激を減らす」ことも対策になります。

シミ対策で「やりすぎない」ことも大切

シミが気になり始めると、できるだけ早く何とかしたくなります。

そのため、複数の美白化粧品を重ねたり、洗顔でシミを落とそうとしたり、肌に強い刺激を与えたりすることがあります。しかし、シミの種類によって原因は異なるため、強くケアすればするほど効果が高くなるとは限りません。

また、一般的に「シミ」と思っているものの中には、年齢とともに増える別の皮膚病変が含まれることもあります。米国皮膚科学会も、年齢によるシミに見えても、脂漏性角化症や日光角化症、皮膚がんなど別のものの場合があるため、気になる場合は皮膚科で確認するよう案内しています。

特に、急に大きくなった、色が変わった、形が変わった、出血するなどの変化がある場合は、自己判断でケアを続けないことも大切です。

これは「シミが危険」という意味ではありません。

50代になると肌にさまざまな変化が出てくるため、「全部を年齢のせいにしない」という程度に覚えておけば十分です。

50代のシミ対策は「消す」より「これ以上増やさない」から

50代になってからシミが目立つと、「もっと早く対策しておけばよかった」と思うかもしれません。

確かに、若い頃から紫外線対策を続けることには意味があります。しかし、過去に戻ることはできなくても、今日からの紫外線対策を変えることはできます。

そして、シミ対策は何か特別なことを始めなければならないわけでもありません。

外出前に日焼け止めを使う。日差しが強いときは帽子をかぶる。できるだけ日陰を選ぶ。洗顔やタオルで顔を強くこすらない。

こうした小さな習慣を積み重ねるだけでも、これから受ける紫外線ダメージを減らすという意味があります。

今あるシミだけを見て「もう遅い」と考えるより、これからの肌をどう守るかに目を向けるほうが、50代からの対策としては現実的です。

まとめ|50代のシミは「今まで」と「これから」で考える

50代になってシミが目立つ理由は、単純に「年齢だから」だけではありません。

長年の紫外線による光老化に、年齢による肌の変化などが重なり、若い頃からあった色素斑が濃く見えるようになることがあります。日本人女性を対象とした研究でも、色素斑の数や色の濃さが年齢とともに変化することが確認されています。

だからこそ、50代のシミ対策は「今あるシミをどうするか」だけで考える必要はありません。

まずは、日焼け止めを習慣にする、帽子や日陰を利用する、肌を強くこすらないなど、これ以上の紫外線ダメージを減らすことから始められます。

過去の紫外線を消すことはできません。

でも、これから浴びる紫外線を減らすことはできます。

50代のシミは、「もう遅い」と考えるより、これまでの積み重ねを知ったうえで、これから何をするかを考えるきっかけと捉えることもできるのではないでしょうか。

あなたなら、まずどの対策から始めますか?